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呪い返しとは?意味と言い伝えをわかりやすく解説【民俗・文化】

呪い返し(のろいがえし)とは何か。その意味や、丑の刻参りの「見られると自分に返る」という言い伝え、なぜ古くから恐れられてきたのかを、民俗・文化の視点から解説します。実際の実行を勧めるものではありません。

文・三森 捷暉

呪い返しとは?意味と言い伝えをわかりやすく解説【民俗・文化】

「人を呪わば穴二つ」ということわざを、聞いたことがある人は多いでしょう。誰かを呪えば、その報いはやがて自分にも返ってくる——この考え方の中心にあるのが「呪い返し(のろいがえし)」という言い伝えです。

この記事では、呪い返しとは何か、その意味と背景を、陰陽道の歴史や身を守る俗信までさかのぼって、あくまで民俗・文化の話として解説します。実際に呪術を行うことを勧めるものではありません。最後に、恨みや呪いの感情との向き合い方についても触れます。

呪い返しとは何か(意味)

呪い返しとは、誰かにかけた呪い、あるいは自分にかけられた呪いが、送り主のもとへはね返るという民俗的な言い伝えです。呪術を仕掛けた本人に災いが戻る、という考え方で、日本各地の俗信や物語のなかに見られます。「呪詛(じゅそ)返し」とも呼ばれ、かけられた呪いをそのまま相手へ送り返すための作法が語られることもあります。伝承では、送り返された呪いは、もとの送り主に何倍にもなって返るとも言われました。もちろんこれは伝承であり、実際にそうした現象が確かめられたものではありません。呪いそのものの意味については呪詛とは何かもあわせてご覧ください。

「人を呪わば穴二つ」— 因果応報の観念

呪い返しの根底には、「人を呪わば穴二つ」に象徴される因果応報の観念があります。これは「相手を呪って葬るための墓穴を掘れば、いずれ自分の墓穴も必要になる」という意味で、他人に害を及ぼそうとする行為は、いずれ自分に返ってくるという戒めです。呪いという激しい行為には相応のリスクが伴う——そうした感覚が、古くから物語や俗信のかたちで受け継がれてきました。

陰陽道と呪詛返し — 歴史のなかの呪い返し

呪い返しの発想は、民間の俗信だけのものではありません。平安時代の宮廷では、陰陽師(おんみょうじ)が、他者からの呪詛を跳ね返す「呪詛返し」や、災いをもたらす存在を鎮める「調伏(ちょうぶく)」を担ったとされます。当時の貴族社会では、政敵からの呪詛が本気で恐れられており、それに対抗する専門家の術として、呪い返しは制度に近い位置を占めていました。人を呪う技術があると信じられれば、それを跳ね返す技術もまた求められる——呪いと呪い返しは、いわば表と裏の関係にあったのです。陰陽師の役割については陰陽師とは何かで詳しく解説しています。

丑の刻参りと呪い返しの言い伝え

呪い返しの代表的な例として知られるのが、丑の刻参りの言い伝えです。深夜の神社で藁人形に釘を打つこの儀式には、「他人に見られると効力が消える」「かえって呪いが自分に返ってくる」という条件が付きまといます。人知れず行わなければならないという緊張感と、それでも見られてしまえば我が身に災いが返る、という恐れ。呪い返しは、呪いを試みる者に常につきまとう影のような存在として語られてきました。

能「鉄輪」に描かれた呪い返し

呪い返しは、古典芸能のなかにも生き生きと描かれています。能「鉄輪(かなわ)」では、夫に捨てられた女の恨みに悩まされた男が、陰陽師・安倍晴明のもとを訪ねます。晴明は夫婦をかたどった撫物(なでもの)の人形を用意して祈祷を行い、鬼と化して現れた女の生霊を、神々の力で退けます。恨みを晴らそうとする呪いが、祈りの力によって跳ね返される——この物語は、呪いと呪い返しがせめぎ合う場面を今日に伝える、代表的な一例と言えるでしょう。

呪いを跳ね返すとされた俗信

呪いや災いを跳ね返す、あるいは寄せつけないための俗信も、各地に伝わってきました。玄関先に塩を円錐形に盛る「盛り塩」、身にまとう護符やお守り、塩を撒く・息を吹きかけて祓うといった作法は、その代表です。これらは他人を害するための術ではなく、あくまで「わが身を守る」ための民間の知恵として受け継がれてきたもの。効果が科学的に確かめられたわけではありませんが、不安な心をなだめる、ささやかな儀式としての意味はあったのでしょう。護符やお守りについては護符とは何かもあわせてご覧ください。

恨みは、返す前に書いて手放す

呪い返しの言い伝えが教えてくれるのは、「恨みを相手にぶつけようとする行為は、めぐりめぐって自分自身を縛る」という感覚かもしれません。実際、誰かを呪い続けている間、いちばん長くその感情に触れ続けているのは、ほかならぬ自分自身です。

呪い日記は、その恨みを相手に返す前に、そっと書いて手放すための私的なアプリです。書いた言葉は誰にも見られず、相手を巻き込むこともありません。呪いを送り合う関係から一歩離れて、胸に溜まった恨みを、まずは自分だけの場所に出してみてください。外に出すほど、その重さは少しずつ軽くなっていきます。

呪いそのものの言い伝えについては、丑の刻参りとは何かもあわせてご覧ください。

#呪いの民俗#呪い返し#言い伝え#日本の呪術
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FAQ

よくある質問

Q.呪い返しとはどういう意味ですか?

呪い返し(のろいがえし)とは、誰かにかけた呪い、あるいは自分にかけられた呪いが、送り主のもとへはね返るという民俗的な言い伝えです。呪術を仕掛けた本人に災いが戻る、という考え方で、日本各地の俗信や物語に見られます。あくまで伝承であり、実際にそうした現象が確かめられたものではありません。

Q.なぜ呪いは自分に返ると言われるのですか?

呪いという行為に対する戒めや、因果応報の観念が背景にあるとされます。丑の刻参りの「他人に見られると効力が消え、かえって自分に返る」という言い伝えはその代表例で、人を呪う行いには相応のリスクが伴う、という警告として語り継がれてきた側面があります。

Q.呪い返しは実際に効果があるのですか?

呪い返しは民俗的な言い伝えであり、科学的に効果が確かめられたものではありません。ただ「人を呪えば、いずれ自分に返ってくる」という感覚は、恨みにとらわれ続けることの苦しさを言い当てている面もあります。

この記事を書いた人

三森 捷暉みつもり かつき

株式会社スリスタ 代表/ドヤマーケAI 運営

実務で使えるAIサービス群「ドヤマーケAI」を運営し、記事・広告・営業・人事からAI検索可視化までを手がける。YouTubeチャンネル『SaaSは死にましぇん』を発信。感情を書いて手放すアプリ「呪い日記」の企画・開発者。

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