お札(神社)とは?神社本庁が示す祀り方と返納|寺のお札は並べていい?
神社のお札の祀り方には、神社本庁が公式に示している型があります。三社造りと一社造りの並べ方、返納は古神札納所へ、そして「神社とお寺のお札を並べてよいか」という疑問への東京都神社庁の回答まで、一次情報だけで整理しました。
文・三森 捷暉

このテーマは、他の民俗の話題と決定的に違う点があります。神社本庁と各都道府県の神社庁が、公式に手順を示しているということです。だから推測で書く必要がありません。この記事は、その一次情報だけで構成します。
お札 早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | おふだ(お神札) |
| 何か | 神社で授かり、神棚に祀る札 |
| 神宮大麻 | 伊勢神宮のお神札。総氏神として中央または最前に |
| 三社造り | 中央=神宮大麻/右=氏神/左=崇敬社 |
| 一社造り | 手前から 神宮大麻 → 氏神 → 崇敬社 の順に重ねる |
| 更新 | 1年ごと |
| 返納 | 受けた神社の古神札納所へ。お焚き上げ |
| 寺の札 | 仏壇があれば仏壇へ。なければ神棚の隣など |
祀り方 ― 神社本庁が示す二つの型
神棚には、扉が三つある三社造りと、扉が一つの一社造りがあります。並べ方が変わります。
三社造りの場合一社造りの場合中央に日本人の総氏神さまである伊勢神宮のお神札(神宮大麻)を、向かって右に地元の氏神さまのお神札を、向かって左に崇敬している神社のお神札をお納めします。
神宮大麻を1番手前に、その後ろに氏神さま、その後ろに崇敬する神社のお神札を重ねてお納めします。
つまり扉が三つなら横に並べ、一つなら重ねる。順序の考え方は同じで、神宮大麻がいちばん優先される位置に来ます。
置き場所については、目線より高い位置に、南向きまたは東向きに設けるのが一般的とされます。
返納 ― 古神札納所へ
神社本庁の記述は明快です。
古いお神札は1年間お守りいただいたことに感謝を申し上げてから、お神札を受けた神社の古神札納所等へ納めてお焚き上げをしていただき、新しいお神札をお受けします。
FAQでも「お神札やお守りは、1年ごとに新しく受けていただくことがよいとされています。前の年のお神札やお守りは受けた神社にお納めするのがよいでしょう」としています。
ポイントは二つ。- 1年で更新する——これは古びるからではなく、大祓が半年ごとに罪穢れを落とすのと同じ、定期的に新しくするという考え方に連なります
- 受けた神社に返す——他社への返納については神社本庁は明言しておらず、個別の神社の判断になります。受け付けている神社も多いので、事前に確認するのが確実です
「神社とお寺のお札を並べていいか」
検索でよく問われるのに、答えている記事が少ない疑問です。東京都神社庁が公式に回答しています。
一般的には、お寺のお札は仏壇がある場合には仏壇に、ない場合には神棚の隣などにおまつりします。
つまり同じ神棚に混ぜるのではなく、別にお祀りするという整理です。神仏習合の長い歴史がある日本では、両方を家に迎えること自体は自然なことですが、場所は分けるというのが現在の一般的な考え方になります。
護符・形代との違い
似た札を役割で並べると、お札の位置づけがはっきりします。
| 何をするものか | 扱い | |
|---|---|---|
| お札 | 神を家に迎える | 神棚に祀る。1年で更新 |
| 護符 | 加護を受ける・災いを防ぐ | 身につける・貼る |
| 形代 | 自分の穢れを移す | 撫でて、流す |
お札は「迎える」、護符は「携える」、形代は「手放す」。方向がそれぞれ違います。
一日の終わりに、戻る場所
お札を家に祀るという営みは、日々戻ってくる場所を整えることでもあります。
外でどれだけ削られても、帰る場所がある。その場所が整っている。それだけで、疲れの残り方は変わります。神棚を目線より高い位置に設けるのも、家のなかに見上げる一点を作るためでしょう。
心についても同じことが言えます。一日の終わりに、受け取ってきたものを降ろす場所があるかどうか。心が疲れたときの回復や寝る前に日記を書く習慣もあわせてどうぞ。
出典・参考
- 神社本庁「お神札のまつり方」/同 FAQ
- 東京都神社庁(お寺のお札の扱いについて)
- 各神社の公式サイト
関連記事
FAQ
よくある質問
Q.神社のお札はどう並べればいいですか?
神社本庁は二つの型を示しています。扉が三つある三社造りの神棚では、中央に神宮大麻(伊勢神宮のお神札)、向かって右に地元の氏神さまのお神札、向かって左に崇敬している神社のお神札を納めます。扉が一つの一社造りでは、神宮大麻を一番手前に、その後ろに氏神さま、さらにその後ろに崇敬する神社のお神札を重ねて納めます。
Q.古いお札はどうすればいいですか?
神社本庁は「1年間お守りいただいたことに感謝を申し上げてから、お神札を受けた神社の古神札納所等へ納めてお焚き上げをしていただき、新しいお神札をお受けします」としています。FAQでも「前の年のお神札やお守りは受けた神社にお納めするのがよいでしょう」と述べています。
Q.神社のお札とお寺のお札を並べてもいいですか?
東京都神社庁は「一般的には、お寺のお札は仏壇がある場合には仏壇に、ない場合には神棚の隣などにおまつりします」と回答しています。同じ神棚に混ぜるのではなく、別にお祀りするという整理です。
Q.受けた神社と違う神社に返してもいいですか?
神社本庁は「受けた神社にお納めするのがよい」としており、他社への返納については明言していません。実際には受け付けている神社も多く、これは個別の神社の判断になります。事前に確認するのが確実です。
Q.神宮大麻とは何ですか?
伊勢神宮のお神札のことです。神社本庁は伊勢神宮を「日本人の総氏神さま」と位置づけており、三社造りでは中央、一社造りでは一番手前に納めるとしています。
この記事を書いた人
三森 捷暉みつもり かつき
株式会社スリスタ 代表/ドヤマーケAI 運営
実務で使えるAIサービス群「ドヤマーケAI」を運営し、記事・広告・営業・人事からAI検索可視化までを手がける。YouTubeチャンネル『SaaSは死にましぇん』を発信。感情を書いて手放すアプリ「呪い日記」の企画・開発者。
この記事は民俗・言葉・文化の解説です。医療・法律・宗教上の助言ではありません。伝承は文化として紹介するもので、他者を害する手順を推奨するものではありません。出典のない通説は「俗説」と明記しています。
RELATED
あわせて読みたい
呪いの民俗お祓いとは?厄払いとの違い・費用・服装まで|神社が実際に言っていること
お祓いとは、罪や穢れ、災いを神事によって除くこと。「厄払いは神社、厄除けはお寺」という説明は神社どうしでも見解が分かれます。「祓ひ」と「祓へ」の違い、初穂料の実額(上賀茂神社・明治神宮の公表額)、そして神社公式が言う服装のマナーまで、一次情報で整理しました。
呪いの民俗形代とは?読み方と大祓の人形代|平安の天皇は年間2168枚を使った
形代(かたしろ)とは、神体の代わりに据えるもの、また禊や祈祷で身体を撫でて災いを移し流す人形。大祓は大宝元年(701年)の大宝律令で年中行事となり、『延喜式』に細則が定められました。平安期の天皇が用いた人形代は年間2168枚。凶用の形代も辞典が認めています。
呪いの民俗呪いの言葉とは?「呪う」と「祝詞」は同じ根から出ている|言霊信仰の裏面
呪いの言葉とは、声に出すことで相手に災いをもたらすとされた言葉。実は「呪う」は「祝詞(のりと)」と語源を同じくし、祝福と呪詛は同一の言語観の表と裏です。同じ「呪」の字が正反対の意味を持つ理由、そして現代の「呪いの言葉」までを解説します。