ジャーナリングのやり方 ― 何を書けばいいか分からない人のための始め方
ノートを開いたものの、何を書けばいいか分からず手が止まる。そんな初心者のために、ジャーナリングの基本的なやり方・具体的な書き方の型・毎日続けるコツ・感情ジャーナリングの効果まで、順を追ってご紹介します。
文・三森 捷暉

真っ白なノートを開いて、ペンを握ったまま数分。「ジャーナリングが心にいい」と聞いて始めてみたものの、いざ書こうとすると何を書けばいいのか分からず、結局一行も進まないまま閉じてしまう。そんな経験はありませんか。
ジャーナリングは、正しく書こうとするほど手が止まります。実は「上手に書く」必要はまったくありません。この記事では、何を書けばいいか分からない初心者のために、ジャーナリングの基本的なやり方から、具体的な書き方の型、毎日続けるコツ、そして感情を扱うジャーナリングの効果までを、順を追ってご紹介します。
ジャーナリングとは何か
ジャーナリングとは、頭の中に浮かんだ考えや感情を、評価も編集もせずにそのまま書き出す習慣のことです。日記が「その日の出来事の記録」だとすれば、ジャーナリングは「そのとき心に流れているもの」を紙や画面に写し取る作業に近いものです。
大切なのは、読み返して評価されるための文章を書くのではない、という点です。誤字も、支離滅裂な文も、まったく問題ありません。目的は書き上げることではなく、頭の中を外に出すこと。 その一点だけを覚えておけば、ジャーナリングは今日から始められます。
まず用意するもの ― ノートかアプリか
必要なのは、書ける場所ひとつだけです。紙のノートでも、スマホのメモアプリでも構いません。
手書きは、ペンを動かすぶん思考がゆっくり整理されやすいと言われます。一方アプリは、いつでもどこでも開けて、書いたものを検索したり後から振り返ったりするのが簡単です。どちらが正解ということはなく、自分が続けやすいほうを選ぶのが一番です。
ただし、ネガティブな感情を吐き出す目的なら、もうひとつ大事な基準があります。それは「誰にも見られない」という安心感です。人目を気にすると、無意識にきれいな言葉を選んでしまい、本当の感情が出てきません。鍵のかかる完全プライベートな場所を選ぶことが、正直に書くための土台になります。
何を書けばいい? 具体的な書き方の3つの型
「自由に書いていい」と言われると、かえって手が止まるものです。そこで、書き出しに困ったときに使える3つの型をご紹介します。
1. モーニングページ ― 朝、思いつくまま3ページ
作家ジュリア・キャメロンが提唱した方法で、朝起きてすぐ、頭に浮かんだことをただ書き続けるやり方です。テーマは決めません。「まだ眠い」「今日は気が重い」でも構いません。手を止めずに書き続けることが肝心で、内容の良し悪しは問いません。頭の中のノイズを朝のうちに吐き出しておくと、一日が軽くなります。
2. 感情ジャーナリング ― 気持ちに名前をつける
心がざわついたときに、「いま自分は何を感じているか」だけを書きます。「イライラする」「悲しい」「不安」——感情に名前をつけると、正体の分からなかったモヤモヤが、眺められる対象に変わります。さらに「なぜそう感じたのか」まで書き進めると、怒りの下に隠れていた本当の気持ちが見えてくることがあります。
3. 3行ジャーナリング ― 続けやすさ重視
長く書くのが負担なら、1日3行で十分です。「今日あったこと」「そのとき感じたこと」「本当はどうしたかったか」を一行ずつ。短くても、その日の感情をその日のうちに手放す習慣がつきます。
毎日続けるコツ
ジャーナリングは、毎日書けないと意味がないものではありません。それでも習慣にしたいなら、ハードルを徹底的に下げることが続ける最大のコツです。
「1日1分だけ」「寝る前に3行だけ」と、達成が簡単な最低ラインを決めます。時間と場所を固定すると、意志の力に頼らず自動的に始められるようになります。書けない日があっても自分を責めないこと。休んでも、また書けばいいだけです。完璧に続けることより、細く長く戻ってこられることのほうが大切です。
ネガティブな感情こそ、書いて手放す
ジャーナリングと聞くと、感謝や目標を前向きに綴るイメージがあるかもしれません。けれど、怒りや悲しみでいっぱいのときに「ポジティブに書こう」とするのは、かえって苦しいものです。
負の感情は、無理に変換しなくて構いません。「ムカつく」「もう無理」と、そのままの言葉で吐き出したほうが軽くなります。書き終えたら読み返さず、そっと閉じる。分析も反省も必要ありません。感情を外に出して距離を取ること、それ自体がジャーナリングの効果です。
呪い日記は、そんなネガティブ専用の吐き出しジャーナリングのために作られたアプリです。前向きな言葉に変換することを強要せず、負の感情を「呪い」という形のまま書いてよい場所として設計しました。書いた言葉は誰にも見られず、あなたの中だけにとどまります。
参考文献
- Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3).
- Julia Cameron (1992). The Artist's Way.(モーニングページの原典)
FAQ
よくある質問
Q.ジャーナリングは何を書けばいいですか?
決まったテーマはありません。頭に浮かんだことをそのまま書くのが基本です。書き出しに困ったら「今いちばん気になっていること」「今日あった出来事とそのときの気持ち」「本当はどうしたいか」の3つから選んでみてください。上手に書く必要はなく、単語の羅列でも構いません。書くこと自体が目的です。
Q.毎日書けなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。ジャーナリングは毎日書けないと意味がないものではありません。書きたいときに書けば十分効果があります。続けるコツは、時間や場所を決めてハードルを下げること。1日3行、あるいは1分だけと決めると、負担なく習慣になりやすくなります。
Q.ジャーナリングに効果はありますか?
はい。つらい経験や感情を文章に書き出す「筆記開示(エクスプレッシブ・ライティング)」は心理学で長く研究され、ストレスの軽減や気分の改善につながることが知られています。頭の中のモヤモヤを言葉にして外に出すこと自体に、気持ちを整理する働きがあります。
Q.ノートとアプリ、どちらで始めるのがいいですか?
続けやすいほうで構いません。手書きは思考が整理されやすく、アプリはいつでも書けて検索や振り返りが簡単です。特にネガティブな感情を吐き出すなら「誰にも見られない」安心感が重要で、鍵のかかる完全プライベートな日記アプリなら本音を強い言葉のまま書けます。呪い日記はそのために作られたアプリです。
この記事を書いた人
三森 捷暉みつもり かつき
株式会社スリスタ 代表/ドヤマーケAI 運営
実務で使えるAIサービス群「ドヤマーケAI」を運営し、記事・広告・営業・人事からAI検索可視化までを手がける。YouTubeチャンネル『SaaSは死にましぇん』を発信。感情を書いて手放すアプリ「呪い日記」の企画・開発者。
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